黒き灼熱、ここに眠る。
 小高い丘の上、物言わぬ石碑には、ただそれだけが刻まれている。
 その墓標には折れたイフリートマロウの刃が埋め込まれ、彼の最後の戦いの激しさを物語っていた。
 幾多の名誉を得た者も、最期はこうして眠りにつく。
 通りかかるハンター達だけが、冥福を祈る墓。
 だが、ここは英雄が死した場所。
 たどり着く事すら命がけの、寂しくも誇り高き墓標だった。










 「ついに、ここまで来たわ・・・」

 まだ若いその女は、初めて踏み込んだ街の酒場で緊張の面持ちでつぶやいた。
 ポニーテールにした髪は、背中のなかばあたりで揺れている。
 バトルで新調した装備は、いかにも新米といった風体だ。
 その新しい鎧の輝き以上に、彼女の目は輝いていた。

 「・・・これからが、あたしの本当のハンター生活の始まりね」

 村でそれなりの戦果をあげつづけ、村長からの許しをもらったのが一週間前。
 色々と準備を整えて、ようやく街へと到着した。
 彼女には目標があった。
 いや、目標というには、あまりも高みに上ってしまったが・・・
 自分の村で一緒に育った、そのハンターの顔は、今も色あせぬまま目に焼きついている。
 最後に彼を見たのは、二年前。
 街から来る商人の話では、かなりの活躍をしたと聞いていた。
 いつしか『黒き灼熱』とまで呼ばれる英雄となるほどに。
 しかし、英雄は突然、街から姿を消し、このノーブルからも姿を消したという。
 様々な噂があった。
 ハンターとしてやっていけないほどの大怪我を負った。
 結婚して引退し、どこかで幸せに暮らしている。
 名を捨てて、また修行の旅に出て行った。
 など。
 しかし最も人々の口にのぼるの噂は、何かに追われているといものだ。
 彼が手負いにした龍らしいのだが、何にしろ所詮は噂だ。
 数多い噂の中には、女性から逃げ回っているという、噂にしてもひどすぎるものもあるのだから。

 「もし会えるなら、一緒に戦ってみたいなぁ」

 新米ハンターが、英雄と一緒に戦いたいなど、分不相応もいいところである。
 しかし、村で同じハンターを目指していた唯一の自分に、兄のように自分の面倒を見てくれた青年。
 できるなら、また色々と教えて欲しいと思うのは、ハンターとしてだけではない。
 彼が村を出るとき、いつか一緒にパーティを組もうと言ってくれたのも覚えている。
 
 「アザァおにぃ、またカッコよくなってるのかなぁ」

 村でも娘たちから注目されていたし、自分もまたその一人だった。
 ハンターを目指す男には、不埒な考えも持つ者もいるが。
 彼は純粋に、強さを求めるハンターだった。
 そして女性に対して優しかったし、また女性の頼みを断れないような、純朴な青年でもあった。
 全てが彼の魅力だった。

 「でも、キレーな人、いっぱいいるしなぁ」

 街には、それまで見た事もない意匠をほどこした服で着飾る女性が道をゆく。
 同性の目から見ても、魅力的だとすら思う。
 もしかしたら、もういい人がいるかもしれない。
 美しい女性かもしれないし、敏腕の女相棒かもしれない。
 
 「初恋は実らないもの、かぁ」

 ふぅ、と溜息をひとつ。
 そして顔をあげ、新米ハンター、ティティは依頼の貼り出されたカウンターへと向かった。





淡い恋心 (前編)






 依頼を見た時、ティティはその数と種類の多さに驚く。
 また、一見、同じようなものでも、納品数や討伐数が違っていたりする。
 さすがに飛竜を討伐目的としたものは少ないが、納品の数などは村の依頼よりも多い。
 村で一度受けた事のある卵など、三個も納品だ。

 「一人じゃ無理よ、こんなの」

 周りは同郷のハンターばかりとはいえ、ティティの出身は小さな村で、顔見知りはいない。
 村で名を挙げたのは『黒き灼熱』だけだ。
 というよりも、自分の村にハンターを目指していたのは彼だけであった。
 その後もハンターを目指すものは自分以外、一人としていなかったのだから。
 それを話題に人集めもできるのだろうが、自分に対して過度の期待を持たれるのは困る。
 なんとか一人でも成功しそうな依頼を探していると。

 「おお、『黒き灼熱』のご帰還だ!」
 「今日は何を狩ったんだ!?」

 クエスト帰りであろう、ハンターの一行を酒場の皆が、騒ぎ立てて迎えた。
 
 「えっ!?」

 ティティもあわてて、そちらへ視線を向けた。
 四人のハンター、その中心は見た事もない防具で全身を覆っている男だった。
 ティティは、その青い防具をつけたのがアザァだと知る。
 なぜなら、後の三人のハンターは全てが女性。
 その一行がテーブルにつくと同時にすでに人の輪ができる。
 その中心で青い鎧の男が誇らしげに、獲得した素材を高らかに掲げた。
 
 「え、アレって・・・」

 飛竜の鱗といのはわかるが、見た事もない形をしている。
 答えはすぐに嬌声となって、酒場にこだました。

 「逆鱗だ!」
 「それも二枚も!」

 ティティはすぐに、駆け出す。
 まさか会えると思っていなかった憧れの人が、すぐそこにいる。
 しかし、ますます大きくなっていく人だかりに、彼女の体は小さすぎた。

 「おにぃ!」

 必死の声すらも、歓声でかき消される。
 飛び跳ねると、懐かしい顔があった。
 ずいぶんと変わった気がするが、確かに昔の面影がある。
 しばらくの間、歓声が飛び交い、その間もなんとか潜り込もうとするも、かなわない。
 やがてアザァ達は、皆を連れて出て行ってしまった。
 ティティもあわててその後へ続こうと、酒場の出口へ走り出した。
 しかし、

 「あう!」
 「あ・・・すまない」

 ちょうど入ってきた男にぶつかり、転倒する。
 近くにあったテーブルに激突し、給仕がかたづけようとした料理の皿までかぶってしまう。
 色々なもので頭を打ち、目の前が星で埋まった。

 「大丈夫か?」
 「あー・・・あー!」

 痛む部分をさすると、いやな感触。
 指先を見るとやはり。

 「血ー・・・血ー!」
 「大丈夫じゃなさそうだな」

 あくまで他人事のように話す男にティティは痛みも忘れ、下からにらみつける。

 「あんたねひとにぶつかってけがさせてなんでそんなにのんびりやさんなのよ!」
 
 一息にまくしたてられ、男は困ったように。

 「いや、走ってぶつかってきたのは君の方なんだが・・・」
 「ちがうでしょそうじゃないでしょあんたおとこでしょあたしおんなでしょ!」
 「ああ、言葉は理解できないが、言いたいことは理解した」
 
 その白い髪の男は、優しく手を差し出した。

 「君のいう事ももっともだ。悪かった」
 「・・・あ、わ、わかればいいのよ」

 その手をとって、ティティは立ち上がる。
 優男のわりに、その手は硬く力強いものだった。

 「・・・ハンター?」
 「見てわからないか?」

 確かに腰と足にはバトルを装備している。
 しかし上半身には何もつけていない。

 「お金ないの?」

 そう言ったとたん、男は明るく笑った。

 「まぁ、あるとは言えないな。君がうらやましい」
 「えへへ」

 自分の装備を褒めてもらうのは悪い気がしない。
 一式をそろえるために、村で使っていた愛用の防具は売ってしまったけれど。
 それでもたりなくて、採集ハンターの真似事もした。

 「それで、大丈夫なのか?」
 「え?」
 「ケガをさせてしまったみたいだが・・・」
 「あっ!」
 
 思い出したように、痛む部分をさするが。

 「あれ?」

 あれだけねっとりとしたものが、今はない。
 確かに腫れてはいるが。

 「・・・指、見せてみろ」
 「え?」

 赤いものがついたままの手を男がとり。
 ペロリとなめた。

 「ひゃん!」
 
 突然の事に、奇怪な悲鳴をあげつつ。

 「な、なにすんの!」
 「調味料だ」
 「へ?」
 「なめてみろ」

 言われて、自分の指を見る。
 そうして、口にふくむと。

 「・・・辛い」
 「まぁ、そういう事だ」

 男は苦笑して、頭をポンポンと軽くたたく。

 「あわて者だな。狩りの最中は冷静にな」
 「ぐっ」

 ティティは、なんとも言えず、近くのテーブルについた男をにらみつける。
 確かに自分の早とちりだったが、似たような新米ハンターに、そこまで言われる筋合いはない。
 それに装備は自分が上だし、それはハンターとして得た経験も上だという事だ。
 足音を立て、自分もそのテーブルに座る。

 「なんだ?」
 「なによ、えらそうに! あたしの方が格下みたいに言ってさ!」
 「ん? ・・・ああ、いや、すまない。そんなつもりで言ったわけじゃないんだ」
  
 ティティが怒っている理由がわかり、白髪の男は素直に謝った。
 たいていのハンターは意地をはりあう。
 何気ない一言でも、そこから引かず、言い争いになる事も多いのだが。

 「あ、うん、わかればいいのよ、その、わかればね」
 「・・・そうだ。さっきのお詫びに酒でもおごろう」
 「え?」
 
 男は近くの給仕を呼んで、

 「何がいい?」

 ティティは突然の流れに困惑し。
 しかし、かつて無理をして何回も村で痛い目にあっているので正直に。

 「あたし、お酒・・・飲めない」

 と、告白した。
 絶対に馬鹿にされると、思っていたのだが。

 「そうか。朝食はもうとったのか?」
 「え? ううん?」
 「じゃあ、一緒に食べよう」

 そう言って、慣れた口調で二人分の注文を給仕に告げた。
 なんというか、様になっている。

 「ね、ねぇ?」
 「なんだ?」
 「なんかさ、すごく慣れた感じなんだけど、実は、すごいハンターとか?」
 「そんな事ない。まだまださ」

 笑って流された。
 なんというか、自分にはない余裕というものが常に漂っている。

 「そ、それに余裕がありすぎるし」
 「まぁ肩の荷がおりたというか、なんというか」
 「へ?」
 「いや、個人的な事だ。とにかく今はのんびりしたい」 
 「ふぅん?」

 やがて食事が運ばれ、二人は色々と歓談しながら食を進める。
 ティティのたずねる全てを、事もなく答える男。
 そこに優越感や嫌味な感じはなく、さとすような柔らかさだけがあった。

 「物知りね・・・」
 「たまたま知ってただけださ」

 常時、こんな感じだった。
 やがて、食事を終えても話は続いてた。
 全てが未知の世界の話で、ティティの興味はつきなかった。
 ふと、男が思い出したように、ティティにたずねかけた。

 「そういえば、さっきはずいぶんと慌てていたが、用事があったんじゃないのか?」
 「あーっ!」

 満たされていく好奇心の中、完全にアザァの事を忘れていた。
 新米とはいえ、ティティもハンターの証拠だった。 
 今はそれが裏目に出てしまったが、性と思うと仕方ない。

 「あー・・・」

 太陽はすでに真上に昇っている。
 徹夜で依頼をこなしていたなら、今はどこかで休んでいるだろう。
 街には詳しくないティティが探し出すのは難しいし、休息の邪魔をしたくもない。

 「引き止めて悪いことをしたか?」
 「あー・・・ううん。そんなコトないよ・・・」
 「なにがあったんだ?」

 これ以上ないほど落ち込んだ顔のティティに青年は、なんとも申し訳なさそうにたずねる。

 「昔の知り合いがいたんだけど・・・結局、顔も見れずにどっか行っちゃった」
 「そうか。それはすまなかった。お詫びに昼食もご馳走しよう」
 「え、いいよ・・・別にあなたが悪いわけじゃ・・・」

 ふとティティは考えて。
 それを見た青年が笑って。

 「俺が悪いだろ? なんでも好きなもの頼んでくれ」
 「・・・ありがと、じゃ、遠慮しないよ!?」
 「ああ」





 「それで、この後どうするつもりだ?」

 皿が積み上げられたテーブルに呆れつつ、白髪の青年は機嫌のよくなったティティにたずねかける。

 「うーん、なにかクエストを受けようとは思ってるんだけどね」

 村とは内容の違うクエストにとまどっている、と事情を話す。

 「慣れないうちは、パーティーを組むといい。酒場はそのためにあるようものだ」
 「それはそーなんだけどね」
 「人見知りするというわけでもあるまい?」
 「む、バカにしないでよね!」
 「冗談さ」

 青年の笑顔を見て、ティティは、なんとも言えない安心感を抱く。
 それに装備はともかく、かなりの腕前という雰囲気もある。
 本人は否定しているが、何か理由があるのかもしれない。

 「ねぇ。この街の人?」

 ティティはなんとなく視線をそらし。

 「ん? いや。だが、しばらくはここにいるつもりだがな」
 「あ・・・うーん、その間、ヒマならさ、あたしと一緒にクエスト受けない?」

 もじもじと、持ちかける。
 青年は笑って。
 
 「・・・俺は厳しいぞ?」
 「あ、な、なによ、自分だって、まだまだって言ってた・・・くせに」
 「それでも、君よりは・・・そういえば、名前をまだ聞いてなかったな。俺はエン」
 「あ、うん。あたしはティティ」
 「・・・そうか、よろしくな、ティティ」

 エンの差し出した手を、ティティが両手で振る。

 「じゃあ、準備してくるから! またここで集合ね!」
 「あ、ああ」
 
 市場へと走っていくティティの背を見送り、エンは。

 「・・・まぁ、大丈夫だろ」

 と呟いた。





 二人は街から森へと移動し、設置されていたキャンプで装備とポーチを確認する。
 支給品をとりわけた後。

 「さて、と」

 エンはティティを見て、

 「な、なに?」
 「まず確認だ。強くなりたいか?」
 「そんなの当たり前でしょ」

 何を当然な事を、とティティが首をかしげる。

 「じゃあ、このクック討伐、一人でやってみろ。危なくなったら助けてやる」
 「あー、一人でラクしようと思って!」
 「じゃあ、二人で倒すか?」

 そう言って、エンは武器を取り出す。
 ティティが初めて見るそれは、

 「あ・・・それって・・・コロナ?」
 「ランサーにしては、よく知ってるな。マイナーな武器なんだが」

 意地悪な笑みを浮かべるエン。
 コロナ。
 リオレウスの素材を使用する、火属性の片手剣。
 つまり、それを作れるだけの腕と経験を持っているという事だ。
 ハッキリ言って、自分とは格が違う。
 そんなハンターが、新米のクック討伐に付き合う理由など、あまりない。

 「あのさ、もしかして・・・あたしの先生になりたいとか?」

 肩をすくめるエン。

 「なりたい、ってのは少し違うな? なって欲しいのか、と俺がたずねるのが正しい」
 「う」

 ここまでの腕の持ち主が、こう言ってくれるのだ。
 本来なら、お願いしますと言うべきなのだが。

 「でもでも・・・」

 手伝いを理由に迫ってくるハンターも街にはいると聞いた事がある。
 確かに、卓越した技術というのは目で見て覚えるのが一番なのだが。  

 「あたしさそういうのってわりきって考えられないというかまだそんなにあれだからそういうのはちょっと」
 「は?」
 「それにそういうのっておとことしてどうなのかとおもうよあなたいいおとこなんだしそんなことしなくても」
 「ん?」
 「あたしなんてまだみてのとおりだしぼんきゅってなってるほうがいいんじゃないのそりゃそうなりたいけど」

 ああ、とエンは納得した。
 師弟関係をたてに、そういう要求をする男がいるのは、そう珍しくない。

 「勘違いするな。ただの気まぐれだ」
 「え? そ、そうなの? あんなこととか、こんなこととかしない?」
 「して欲しいのか?」
 「ちがうちがうごめんいまのなし」
 「ふ・・・まぁ、あまり深く考えるな。俺もしばらくは暇だしな」

 それに、とエンが付け加える。

 「言われてみれば誰かに教えた事などないしな。悪くない」
 「何よ、ヒマつぶし?」
 「酒場でヒマかと聞いたのは、君の方だろう?」
 「ま、まぁ、そーなんだけど」

 なんとなく釈然としないが、憂いのない幸運というものはありがたい。
 問題とすれば、あと一つ。

 「あのさ、その信用してないワケじゃないんだけどね」
 「ん? 疑い深いな。なら他をあたるか?」

 露骨に不機嫌な顔になるエン。
 ティティが慌てて、

 「違う違う、エンがいい人なのは疑ってないよ、本当!」
 「冗談だ。で、何だ?」
 「その、失礼な言い方かもしれないけど・・・本当に強い?」
 「・・・ふむ。もっともな話だな。武器なんてどうとでも手に入るものだしな」

 コロナとなると、それはないんじゃないかな?
 と、内心思うティティ。
 むしろ、エンは、コロナをどうとでも手に入れられるぐらいのハンターというわけだ。
 
 「あー・・・やっぱりエン、強い」
 「ん? 突然なんだ? まぁ、いいさ。クック程度なら教えられる事を証明しよう」

 エンは笑って、

 「じゃあ、ついてこい」
 「え? あ、うん」

 エンは千里眼の薬に口をつけると、走り出した。
 ティティは懸命にその背を追いかける。
 段差を上り、木々をすり抜け、やがて小さな水場が見えてくる。

 「あ、いた・・・けど」

 大きい。
 クックは村で倒した事もあるが、明らかに体格が違う。
 思わず、足をとめてしまうティティに、エンが声をかける。

 「そこで見ていろ」

 それだけの言葉を残し、エンがクックへと飛び込んでいく。
 斬りつけられたクックが雄たけびをあげ、それはすぐに悲鳴へと変わった。
 片手剣は昔、ずいぶんと練習した事がある。
 威力を手数で補い、防御も回避で補う。一撃離脱の武器。
 しかし、それは理想であり、実際はなかなかダメージを与えられず、また攻撃を防ぎきれるものでもない。
 だから、ティティはランスに変えた。
 堅実に攻撃し、確実に防御できる、この武器を。
 ならば、目の前の光景はなんだろうか。

 「よく見ておけ。見るのも勉強になる。経験と慣れはその後だ」

 コロナが生み出す炎は絶えずクックを包み。
 抗うクックの尾の通り道に、エンはいない。
 ティティの持つ片手剣の理想が、そこにあった。 
 ランスを持つ手が、急に重く感じた。
 片手剣を選んだ理由は アザァが使っていたから。
 けれど、憧れだけでは生き抜けない。
 そうして手放した片手剣。
 
 「あたし・・・ううん」

 ティティは首を振る。
 自分には向かないと決別した武器だ。
 そして、色々と試してたどりついたランス。
 強く、強く、握り締める。
 いつかはアザァとともに戦う為。
 その時に足手まといにならないように、自分の使える武器を選んだ。
 後ろで守られたいわけじゃない。その横で供に戦いたいのだから。
 もう、ナイトランスはいつもの、なじみある重さに戻っていた。
 そして、この人についていこうと決心する。
 どんなに厳しくても、強く。
 強くなるために。



続く・・・





ノベルトップへ戻る。



トップへ戻る。