淡い恋心 (後編)






 突然、腹をおさえて体を折ったエン。

 「あ・・・先生!」

 さっきのかすめるような火球。
 かばうように、自分にかぶさったエン。
 もしや、すでにケガを負っていたのかと、ティティがうつむくエンを心配げにのぞきこんだ瞬間。
 
 「あはははははははははははは!」
 「え? え? え?」
 「クックックックッ・・・ダメだ、もうダメ! ははははははは!」
 「せ、先生・・・?」
 
 恐怖でおかしくなったかと、ティティが奇声をあげるエンを見るが。
 そのいぶかしげな視線を受けて、キリリ、と表情を引き締めたエンは、一言。

 「お前だけは生きるんだ・・・ぷっ!」
 「は? え?」

 引き締めた表情も、一瞬で崩れてまた笑いだす。
 それと同時に、地に足をつけたリオレウスが咆哮をあげる。
 エンの肩越しに、ティティとリオレウスの視線が交差する。

 「あ、あ・・・!」
 「ん? まぁ、落ち着け、かわいい弟子よ」

 手にしていた閃光弾をリオレウスに背を向けたまま、ティティの背中の後方へと投げる。

 「え・・・?」

 自分の背中から強烈な光が弾け、目を焼かれたリオレウスがひるみ、体勢を崩す。
 エンはまだ、リオレウスにすら目をやっていない。
 やっと気づいた。
 信じられない事だが、この状況でなお。

 「先生・・・もしかして、からかってたんですか?」
 「いやいや、実に面白かった。弟子とはいいもんだなぁ」
 「信じられない! ほんっと、信じられない!」

 どったんどったんと地を踏みつけるティティ。

 「だいたい、俺が逃げるわけないだろう」
 「で、でも、本気で言ってるんですか? リオレウスだよ!」
 「だから、そのへんでガードかためて見てろ。見るのも勉強になる。経験と慣れはその後だ」
 「あ・・・」

 初めてクックの討伐を見せられた時と、同じ台詞を残してエンはリオレウスへと駆け出した。

 「信じられない・・・」

 その言葉を聞いて、ティティは呟く。
 つまり、自分の先生は、クックもリオレウスも同程度にしか見てない証拠なのだ。










 「信じられん・・・」

 木々の陰からアザァが呟く。
 もはや、これまでと思った瞬間、リオレウスは二人のハンターを見つけた。 
 そして、自分から、その二人へと牙を向ける方向を変えた。
 防具からして、まだ駆け出しだろう。
 女はバトル系のフルセット。男は、腰と足だけバトルをつけ、あとはむき出し。
 二人には悪いと思ったが、自分の命には代えられない。
 実際、女は泣き叫んでいた。
 そして男は、女を逃がすために、何か説得しているようだったが。
 突如として、男が笑い転げ、女が猛烈に怒り出した。
 その後。
 信じられない展開を迎えた。
 男が閃光弾を投げつけ、アザァが反射的に目を閉じたその後。
 再び、目に映った光景は、火の粉に包まれ、悲鳴をあげ続けるリオレウス。
 圧倒的だった。
 鋭い刃から炎が生まれては消え、また爆ぜる。

 「・・・」

 手にしているイフリートマロウを握り締める。
 目の前の男が操るコロナに、引けをとらない炎の片手剣。
 すぐに、力が抜けた。 
 もう、握る気力すらない。
 
 「ついに見つけたわよ・・・アザァ」

 突然、背後からかけられた声は透き通った、優しさに満ちた声だった。
 とっさに振り返ると、そこには銀髪の女ハンターが笑顔で仁王立ちしていた。
 その後ろには、三人の女ガンナーが、こちらを疑うように見ていた。

 「お前ら・・・まだこんな所にいたのか?」
 「アザァ・・・なにしてる、の?」

 なにやら修羅場になりそうな雰囲気だったので、メイラが割って入る。

 「三人とも悪いんだけど、先、いいかな?」
 「あ、はい」

 ナイナが不審な目でアザァを見つつも、後ろに下がる。

 「また女の子と揉めてるし。それより、あんな墓標立てた所で、人の口に戸は立てられないもんよ?」

 笑顔が、より一層深くなる。

 「というか、死んだなんて冗談にしても笑えないのよ! ほんとにタチの悪い!」

 だが、アザァの答えは。

 「・・・誰だよ、アンタ?」

 ピクン、とメイラの肩がはねる。
 
 「・・・冗談もそこまでいくと笑えないわよ・・・? 今ならゴメンナサイで許してあげる」
 「うるさい、黙れよ。気づかれるだろうが!」

 メイラはアザァのカブトの視線の先を追う。
 
 「あら、レウス。こんな所にもいるのね・・・で?」
 「で? で? って言ったか。お前、頭おかしいんじゃないのか?」

 メイラの顔に残っていたわずかな笑みが霧散した。
 一瞬ながらも言葉を失い、愕然とする。

 「・・・いくらなんでも変わりすぎじゃないの・・・なんか幻滅した・・・」

 女に弱いが、優しい。
 女に不器用だが、強い。
 女に甘すぎるが、頼れる。
 それがアザァという、不器用な男の魅力のはずだったが。
 少し見ない間に、ずいぶんと変わってしまったらしい。
 涙が少し目を熱くしたが、こんな男に涙など見せたくない。
 むしろ、自分に見る目がなかった事が、とても悔しかった。

 「もういいわ、さよなら。アタシ、馬鹿みたい」

 お別れとばかりに。
 盾をふりあげつつ、その青いカブトに激しい激突音でお別れを告げた。

 「・・・え?」

 カブトが吹っ飛び、気を失った黒髪の素顔があらわになる。
 それを見たメイラは、後ろの三人に振り返り。

 「・・・『黒き灼熱』?」

 三人はうなずく。

 「アザァ?」

 コクコクコクと、三つの頭が同意する。

 「偽者よ、コレ。そりゃ確かに似てない事もないけど・・・」
 「えっ!?」

 三人の声がハモる。
 足でグリグリと、偽者の顔を踏みつけメイラ。

 「ちょっと聞きたいんだけど・・・コイツが自分で名乗ったの?」
 「あ、はい、あたしが最初に声・・・かけられたんですけど・・・」  

 ローシャンがおずおずと前に出る。

 「『黒き灼熱』って知ってるか? そんなカンジで」
 「ふーん・・・で、その後は?」
 「鍛えてやるから、その・・・色々と要求されました」
 「げ」

 メイラの足にこもる力が強くなる。

 「あー・・・もしかしたら、もう手遅れ?」

 リエッタが顔を赤くして、

 「いえ、大丈夫です・・・でも、ずいぶんと迫られてました」
 「今日、その・・・相手・・・する約束もしてました」

 ローシャンが言葉をつなげる。
 メイラがにこやかに。
 キレた。

 「こんの・・・ゲス!」

 男のとても大切な場所に、すさまじい蹴りが入り、『黒き灼熱』は気絶から悶絶へ。

 「え・・・という事は・・・」

 メイラは、自分が砕いた墓標を思い出す。
 英雄という名を使えば、女には事欠かないだろう。
 だが、死んだ英雄を名乗るのは馬鹿な事だ。
 という事は、まだあの墓は、多くの人には知られていないのかもしれない。
 足跡を追うに不足しないほど話題になる、名乗らずのリオソウル。
 それよりも、『黒き灼熱』の死の方がよほど、話題になるはずだ。
 だが、あんな危険な場所では、訪れる者も皆無だろう。
 
 「まだ、新しい墓標だった・・・もしかして・・・」

 さっきとは違う理由で涙が溢れてきた。

 「嘘よ・・・アザァが死ぬわけ・・・」
 「メイラさん!」

 ナイナの声で、我を取り戻すメイラ。

 「な、なに?」
 「実はあのレウス、アタシ達が戦ってて・・・多分、あの二人は巻き添えに・・・」

 どうやら、自分達が手負いにした為、責任を感じているらしい。

 「あ、ええ・・・わかったわ。待ってなさい」

 どこか虚ろなメイラを心配げに見送る三人。

 「アザァ・・・」

 死んだとは思いたくない。
 思うはずがない。
 たとえ、人からそう聞かされても。
 剣が埋め込まれた墓標を見ても。
 自分は納得できない。
 
 「アザァ・・・アザァ・・・」










 ゆらゆら、と体を揺らして近づいてくる一人の女ランサー。
 その姿に、先に気づいたのは、ティティだった。
 
 「あ、危ないよ、そこの人! 先生、先生!」
 「ああ、大丈夫よ。手伝うから。あの人、あなたのお師匠さん?」

 さすがに、レウスを前にしていくらか正気を取り戻したメイラが、男のハンターに目をやる。

 「あんな軽装でよくやるものね。それに腕もなかなか・・・なかなか・・・というか、かなり?」

 メイラは、肩をすくめて構えていたランスを折りたたむ。

 「アタシの出番なんてないわね。逆にジャマになるだけだわ」 

 一目見ただけで、手助けなど必要もないとわかる。
 それを見たティティが、誇らしげに笑う。

 「そうよ、あたしの先生はクックもリオレウスも同程度にしか見てないぐらい強いんだから!」
 「しかし見事な腕ね・・・懐かしい動きだわ・・・懐かしい? え?」
 「知ってる? あの剣ね、コロナって言って、すごい武器なんだから! もちろん先生にとってはたいした武器じゃな いのよ!」

 もはや、ティティの言葉など聞こえないかのように、その戦いに見入っている。

 「ちょっと、聞いてるの!?」
 「ああ、ごめん。ちょっと驚いて。あの人の名前、なんていうの?」
  
 それを聞いたティティが慌てて、

 「だ、だめだよ。先生は、あたしの先生なんだから!」
 「とったりしないわよ、アタシにはもう師匠なんて必要ないし」
 「うー・・・もしかして強いんだって自慢してる?」
 「そんなつもりはないけど、アタシもそこそこかな、なんて自分では思ってるわよ?」
 「・・・あ!」

 ティティは銀髪の女ハンターを値踏みするような視線で上から下へ、そして横へとはわせた時。

 「ゲイボルガ・・・」

 ランサーであれば、誰でもすぐにわかるランス。
 最高位の一つであり、店に飾ってある見本と同じものを実戦の場で見るのは当然、初めてだった。

 「ああ、コレ? でも武器で技量を判断してはダメよ。こんなものなら、どうとでも手に入るものだしね」

 どこかで聞いたような台詞である。
 思い出すまでもなく、エンから出たものだ。
 つまり、それほど格上という事をティティは悟り。

 「・・・う、ごめんなさい」
 「謝らなくてもいいわよ。で、あの人の名前は?」
 「エン先生」
 「・・・エン、ね。しかし見事な白髪だこと。で、付き合いは長いの?」
 「まだ十日くらいですけど・・・」

 メイラはこめかみに手をあてて、十分な時間よね、と呟き。

 「あなた、先生の事、愛しちゃった?」
 「なんですか、そんな突然・・・そんな事・・・それは、でもでも、あたし、忘れられない人がいますし」
 「あら、そうなの?」

 しかめていた眉が美貌を取り戻し、にこやかに笑うメイラ。
 懸念が晴れ、敵が減ったかのような素敵な笑顔だ。

 「同じ村の出身で・・・えへへ」
 「なによ、そこまで言ってやめないでよね」

 メイラも乙女である。
 こういう話題は嫌いではない。
 すぐ近くでは、しぎゃしぎゃと泣き叫ぶリオレウスがいるが、完全に眼中にない。
 あの男が、取り逃がすとは思えないと確信していた。

 「色々と面倒みてもらった、優しいお兄ちゃんみたいな人なんです。今は『黒き灼熱』なんて言われるほど偉くなって ・・・」
 「・・・」

 笑顔が消えた。

 「で?」

 乙女の笑顔ではなく、女の笑顔になっていた。 
 気づかないまま、ティティは話を続ける。

 「ええ、同じ街にいるのはわかってるんです。だから、再会までに少しでもエン先生のもとで強くなって」
 「一緒に戦いたい、と」
 「そうです・・・でも、エン先生も素敵だなって・・・あ、先生には言わないで下さいね」
 「あーはいはい。じゃあ、いい事、教えてあげる」
 「はい?」
 「あっちに三人、ハンターがいるでしょ?」

 メイラが指差した先をティティが見てうなずく。

 「あの辺に、あなたが街で見た『黒き灼熱』が転がってるわ」
 「え!?」

 駆け出そうとしたその肩をメイラがつかむ。

 「な、なにするんですか、離して!」
 「でも、ソレは偽者、騙り、女の体目当ての下衆」
 「え?」
 「あなたも気をつけなさいよ。そういう輩は、時に英雄の名も騙るんだから・・・」
 「・・・ウソですよね?」
 「本物を知ってるアタシが確かめたから間違いないわ。偽者よ。残念だけどね」
 「え? アザァおにぃと会ったんですか!?」

 メイラは、苦しげに頷く。
 アザァおにぃ、と来たかぁ、と恋敵候補としてはかなり問題ある。

 「最後に見たのは、どこで、いつですか?」

 チラリと横目でリオレウスと戦っているエンを見ながら。
 流れる汗で、髪の染料が落ちかけているエンを見ながら。
 墓を立て安心感に包まれているであろうエンを見ながら。
 冷静になって、メイラは考えてみる。
 飛竜の巣の近くなど危険過ぎ、当然、人通りが皆無で、噂にもならない。
 そして、そんな危険な飛竜の巣の近くに墓を立てられる者などそうはいないと気づいていない馬鹿を見ながら。

 「なんか、怒る気力も失せた・・・」

 メイラは大きなため息を吐いた。
 その中には、不安、恐怖、悲しみ、そういったものが全て込められて、残らず吐き出されていた。
 リオレウスと戦っているエンは、実に楽しそうだ。

 「ね、ねぇ、教えてください!」
 「あー、はいはい。最後に見たのはここ、最後に会ったのは今」
 「は?」
 「すぐに会わせてあげるわ」

 きょとん、とするティティの首をぐりっとまわして、視線の向きを変えた。
 そこには、ついにレウスを倒したエンがティティに向かって歩いている。
 
 「どういうことですか?」
 「まぁ、見てなさい。あなたの先生、近づくにつれて、歩きがゆっくりになるわよ」
 「え?」

 その通りだった。
 エンはティティの隣に人影を見つけ、首をかしげるもそこまでは歩調が変わらなかった。
 しかし、互いの顔がかろうじてわかる距離から、明らかに歩みが遅くなった。

 「ところで、あなたの先生、髪の色、変わってない?」
 「あ・・・あれ? 黒い?」
 「まったく・・・手の込んだことして。そろそろ止まるわよ、あのバカ」
 「バカ? 先生は・・・」
 「ほら」

 あと十歩もないだろう、その距離でエンは立ち尽くしている。
 額には、なぜか戦い終わった今も汗が止まっていない。

 「せ、先生?」
 「ティ・・・ティ? その人・・・は?」

 エンは、レウスを相手どった時にすら見せなかった緊張の表情を浮かべている。
 メイラはにこやかに笑う。

 「初めまして。レイラと申します。偶然、通りかかって、手助けをと、思ったのですが、ずいぶんと、強いんですね」

 初対面の挨拶にしては、妙にとげとげしい口調だ。

 「ちょっと、あたしの先生に失礼ね、むぐ」

 がっしりと口をメイラに押さえられて、もがくティティ。

 「コロナですか。アタシの知り合いにも片手の炎剣を使いこなす人がいるんですけど、戦い方とかそっくりで」
 「そ、そうですか・・」

 エンはジリジリと後退していく。
 追うようにして、メイラが間合いをつめていく。

 「ああ、でも、もうその人は死んでしまって。『黒き灼熱』ってご存知?」
 「名前は・・・よく聞きます・・・」
 「ええ。誰も踏み入れられないようなレウスの巣の近くに墓標がありまして」

 ジリジリ、と無言の駆け引き。

 「アタシ、思うんですよ。『黒き灼熱』が命を落とすような危険極まる場所に、誰が墓を立てたのか」
 「あ!」

 エンがしまった、とばかりにうろたえる。
 メイラが壮絶に笑う。
 同時にティティの頭の中に渦巻いていた疑問、その全てが氷解した。
 
 「どおりでなかなか噂にならないと・・・」
 「何か?」
 「い、いえ。それで何か?」
 「でも、おかしなものですね。墓はあるのに本人は生きてるんですもの?」
 「お、俺はエンと言って・・・人違いですよ?」

 ジリジリジリジリ。

 「いえいえ。あそこで気絶してるんです」
 「え?」
 「まぁ、女をだます為に、英雄の名を騙った下衆な偽者でしたけどね。あそこに立ってる女の子達、かわいそうに」
 「なんだと?」
 
 エンが眉をひそめ、瞳の中に怒りを宿す。
 ああ、と思う。
 やはり、女に甘くて、とことん不器用な男。
 でも、やっぱり優しい男。 

 「・・・クズが」

 歩を進める方向を偽者に変えようとした所で、メイラが呼び止める。

 「ああ、もう成敗した後ですよ。女性恐怖症くらいにはなってるんじゃないですかね? あの子達もまだ実害にあう前 でしたし」

 それを聞いて、安心したエンは。
 再び、自分の置かれた立場を思い出していた。

 「そ、そうですか・・・では、我々はコレで・・・ティティ、か、帰ろうか?」

 だが、ティティがエンを見る目は、先生を見る目ではなく。
 何かを思い出すかのように、ジッと目を凝らしている。

 「先生・・・髪、黒かったんだね」
 「は? なにを?」

 あわてて、頭に手をやると、白い染料が手にうつった。

 「・・・」

 ティティはさらに。

 「アザァおにぃ!」
 「・・・く・・・あ、何を言ってるんだい、ティティ?」

 なんとか、精一杯の笑いで返すエン。

 「っていう名前なんだ、あたしの昔の知り合いって」
 「そ、そうか」
 「会えばすぐわかってくれると思うし、あたしを騙したりは絶対しない優しいお兄ちゃん」
 「へ、へぇ・・・でも人は時間とともにかわるもので・・・」

 続いてメイラが。

 「アザァ」
 「・・・何度も言いますが、俺は・・・俺はエンという名で」
 「アタシも人を探してまして。『黒き灼熱』の名が、そうなのです。会えばすぐわかってくれるはずです」 
 「そ、そうですか・・・がんばってください・・・」
 「ここに来たのも噂を追って。まさか、偽者とは思いませんでしたけどね」
 「・・・クズがぁ・・・」

 さきほどと同じ台詞なのだが、妙に声が湿っている。

 「さて」

 メイラがティティを開放した途端、素早くエンの背に回りみ、ガッシリと羽交い絞めにする。

 「ティティ・・・?」
 「なんですか、先生?」

 そこへ、ゆらりゆらりと迫るメイラ。 

 「あ、あの、メイラさん・・・?」
 「・・・アタシはさきほど、レイラ、と名乗ったはずですが・・・?」

 にやり、と笑うメイラ。
 にやり、と笑うティティ。

 「・・・ごめんなさい」

 アザァは観念した。



続く・・・





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